これまで
子供の頃から見ていた背中、思えば私が物心つくかつかないかの頃から様々な景色を見させてもらっていました。これからできるであろう新しい店舗が仮組してある土地を真剣な眼差しでみつめ、時折当時の私には難しく理解できなかった話をしてもらいました。また、忙しい現場の状況を見定め、キッチンの中に入り鍋を振る姿、デシャップに立ち注文を読み上げ捌いていく姿、また祖父と話をする時に畳の上で座布団も使わず何時間も話をする姿。そのどれもが鮮明に思い出されます。東京から戻り、家業に入っても決して仕事について多くの会話はしなかったと記憶しています。
祖父の代から継承してきた日向観光ですが確固たる指針ができたのは先代の頃であったと思います。
生意気な言い方になってしまいますが時代が恐ろしいスピードで変わっていく中で私達は確固たる指針を持った先代の頃にとどまるわけではなく常に変わっていかなければいけません。
今のわたしたち
2017年の6月に先代から私達が兄弟で事業を継承し、少なからず時代の流れと共に会社も変わってきました。電話、FAXだった発注業務がオンラインに変わり、勤怠管理もタイムカードへの打刻からクラウド上での管理に、ほかにも様々なことが変化してきました。2020年から続いているコロナを迎えて更にスピードを上げて変化を起こしていきました。
今、社内の会議は8割がオンラインに変わりました。他にも人の手を離れて自動化や業務の軽減は進んでいます。これからも進んでいくでしょう。
誤解を恐れずに言わせていただくならば、今の時代の日本で飲食業界に従事する私たちを社会の中から相対的に見た場合、良い立場とは言えないかもしれません。
これからの私たちは飲食従事者の環境、および社会的地位をさらに改善、向上させて行かなければなりません。そのため私たちは今でも変化し続けています。
そして、これから
2017年6月に私と弟に代替わりをしてから、理念を言語化し、組織を編成しなおし、細かいところから大きなところまで変化を恐れず挑戦し続けてきました。
これから私たちは組織内での変革を社会に波及させ、お客様のより高い満足と地域に住まう人たちから愛される企業を目指していかなければいけません。
イノベーションによるコストの削減とESとCSの追求です。自分たちが胸を張って働ける会社創り。既存の価値観にとらわれず新しいことに率先して挑戦し、自己を変革し続ける。その為には新しい機械やシステムを導入し、今までの仕事を壊しながら創生していかなければなりません。
しかしながら、機械やシステムを使い仕事や会社を作っていくのはどこまで行っても人です。
人である私たちだけが誰かの喜びが自分たちの喜びに繋がるという何物にも代えがたい価値観を持ち、未来を切り開いていくことができます。
企業としては60余年という時間を経ておりますが私も弟もまだ若く未熟であります。しかし、だからこそ成長の途中であり、今よりもより良い社会に貢献できる会社や人になっていけると思っています。
雨が降らないと虹は架かりません。
いつか虹を架けることができる。その為に今が泥だらけでも挑戦していきます。